芸術及び文化の分野で多年にわたり顕著な業績を挙げた方に贈られます。
平澤 登(竹工芸)
昭和20年6月28日(79歳)
宇都宮市在住
氏は、1985年、竹芸家八木沢正氏に師事し、研鑚を重ね現在に至る。
栃木県芸術祭美術展において、1993年・1994年と、準芸術祭賞を連続して受賞し、また、1998・2000年には最高賞である芸術祭賞を重ねて受賞。さらに、県立美術館や宇都宮美術館での企画展等にノミネート出品する等、数々の業績を上げている。
全国規模の芸術活動としては、1995年、本県で開かれた第10回国民文化祭で知事賞を受賞し、翌年の淡交茶道美術公募展(京都)をはじめ、日本伝統工芸展で8回、伝統工芸木竹展で5回の入選を重ね、MOA美術館(神奈川県)で開催された21世紀の伝統工芸「世界の目」でも入選を果たす。
中でも特に、1999年の第39回伝統工芸新作展では、作品〈網代編盛籃「彩」〉の卓越した技量と感性が高く評価され、初出品で奨励賞を獲得、以後、同展及び改称後の2012年の東日本伝統工芸展まで10回の入選を重ねる。
2004年からは日本工芸会の正会員となり、精力的に個性的な作品を発表する傍ら、指導者として後進の育成に努めている。
栃木県芸術祭においては、美術部門工芸分野の運営委員、専門委員、審査員を歴任し、栃木県文化協会においても2005年から理事、2015年から常任理事を務めているほか、多数の工芸グループ展を纏める等、本県美術の興隆・発信の中心的・重要な立場にいる。
主として前年において、芸術文化の分野で極めて顕著な業績を挙げ、将来の活躍が期待できる方に贈られます。
井口大輔(陶芸)
昭和50年8月21日(49歳)
真岡市在住
氏は、真岡市出身、東北芸術工科大学卒業後、栃木県窯業指導所研究生を修了するとともに、浦口雅行氏に師事、2004年に独立。
2002年の第4回益子陶芸展入選を皮切りに、2008年の第7回同展で審査員特別賞を受賞、2014年の第54回東日本伝統工芸展では東京都知事賞を受賞したほか、日本伝統工芸展、菊池寛実記念智美術館等のレベルの高い公募展でも入選を続けるなど、数々の実績を上げている。
特に、2019年には、全国の美術館・画廊・評論家から「時代を代表する陶芸家」として推薦された上位6人を展示する、パラミタミュージアム大賞展で大賞受賞を果たし、日本を代表する陶造形界の実力作家として評価を受けている。
氏の作風には、土の研究や成形・焼成の研鑽等により、古代の造形物のような存在感があり、現在もニューヨークやベルギーなどの海外で個展を成功させるなど、国内外に活動の幅を広げている。
なお、2019年栃木県芸術祭においては招待作家として出品し、2022年には、真岡市の文化部門としては初の同市アンバサダーに就任、活躍を続けている。